愛犬が急死した

琥珀(こはく)は、脳神経系の痙攣発作の重篤化によって、3年9ヵ月という短い「犬生」を終えてしまった。

こはくが欠けてしまった世界があまりにも憎く、いつもと変わらない日常を過ごす幸せ人たちを心から恨んでいる。

こんな世界でも、おれは生きていかなきゃいけない。だけどこはくをひとりにしたくない。だけどおれにはまだ家族がいる。

こはくが死んでも、幸せに過ごさなきゃいけない。こはくが足りない幸せって、幸せなんだろうか。

こはくが生きられない世界で、おれは生きていかなきゃいけない。こはくが足りない日々をこれからずっと、命を全うするまで生きていかなきゃいけない。

この感情を忘れないための記録を、同じ感情を味遭わせてやりたい悪意と、同じ気持ちの向き合い方を知ってもらいたい善意とを、ぐちゃぐちゃに混ぜて書き溜めようと思う。

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